【火車】明るみになった真実と描かれなかった顛末【読書記録】

こんにちは、松波慶次です!
今回ご紹介するのは、「火車」です。

宮部みゆきさんの作品で、読書好きには人気が高い1冊となっています。

以下、ネタバレもありますので注意してください!!

タイトル:火車
著者:宮部みゆき

<あらすじ>
ケガをして休職中の刑事、本間俊介の元に、親戚の男がやってきた。
その男は、「婚約者が失踪したから、その捜索を手伝ってほしい」という。

その婚約者は自らの意思で失踪+徹底的に自身の痕跡を消している……
事件性があるかもしれないと、本腰を入れて捜索をしていった先に、明るみになった真相とは……?

<感想>
読了後、すっきりとし、それでいて切ない、不思議な気持ちになりました。

ストーリー自体は、さすが宮部みゆきさん。
緻密に練り上げられていて面白く、一度読み始めると止まらなくなるほど物語の世界に引き込まれました。

それでいて、自己破産についての知識も得られる。

クレジットカードの闇といいますか、当たり前にあり、当たり前に使えるものの恐怖も描いており、それがきっかけで事件が起こるのですが、カードの闇と事件の繋がりが深く、社会に問題提起をしているように感じました。

失踪した婚約者、関根彰子は、人々の話の中でしか出てきません。

こういう人だった。

こう言っていた。

その人々が受けた印象、見聞きした言動のみで「関根彰子」という人物像が作り上げられていくのですが、その演出もとても面白い。

読み始めと、物語の終わりごろでは彼女に対する印象がガラッと変わり、今作の主人公である本間俊介と同じような思いを抱きながら真相を知ることができます。

ラスト、結局「関根彰子」の生の声を聞くことなく物語は終わりを迎えるのですが、読んでいるときは「顛末を見たかった」と思ったけれど、読了後しばらくすると「これで良かった」と心が落ち着きました。

あとは、本間俊介に彼女を任せよう。
私が出る幕はない。

彼女が、もう二度と怯える人生を歩まないようになることを、祈るばかりです。

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