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【歴史】赤兎馬~摩訶不思議戦国アドベンチャー⑧~

こんにちは、松波慶次です。

小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿していた短編コメディ小説「摩訶不思議戦国アドベンチャー」の8作品目をご紹介します。

今回は……というか、今回も、「馬」の話です。

それでは、ご覧ください。

※執筆時期は1、2年くらい前

目次

赤兎馬

前田慶次は、愛馬である「松風」の世話をしていた。
松風はとても大きな馬で、漆黒の毛並みをそよぐ風に揺らしていた。
慶次は、そんな松風をじっと見つめる。

(主(あるじ)、そんなじっと俺を見て、何考えてるんやろ)

松風は慶次に背中を撫でてもらいながら、その真剣な顔を見つめる。

(次の戦のこと考えとるのかな? 俺がおるから、主は心配せんでええのに。俺が颯爽と戦場(いくさば)を駆けて、勝利に導いたるわ)

鼻息を荒くし、慶次の心中を配慮して意気込んでいると、慶次が呟いた。

「……赤兎馬にも、乗ってみたかったな」
(そんなこと考えてたんかい!!)

赤兎馬とは、後漢末期、中国で覇権争いをしていた三国時代(すわなち三国志)に、最強と謳われた武将、呂布の愛馬である。
赤い毛並みを持ち、一日に千里を走ると言われていた。

「松風もなぁ、黒くてかっこいいんだけどなぁ。赤兎馬もかっこいいよなぁ」
(主……)
「俺が三国時代に生きていたら、呂布から奪い取って思い切り駆けてみたかったなぁ」
(主……!!)

松風の怒りが頂点に達した。松風は撫でている慶次の手を身体を振って払いのけると、厩の柵を強靭な身体で体当たりをして壊し、蹄の音を響かせながら脱兎のごとく逃げ出した。

「あぁ! 松風!」
(もう知らん!)

慶次の悲痛な叫びも虚しく、松風はしばらく帰ってこなかった。
(走ってお腹が空いたようで、その後、無事帰ってきた)

あとがき

「花の慶次」の松風は、「北斗の拳」の作者である原哲夫さんが書いているからか、どう見ても「黒王号」にしか見えませんよね(笑)

松風も黒王もかっこいいのですが、赤い馬……赤兎馬もかっこいいです。

馬と仲良くなって、戦国武将みたいに私も颯爽と馬を駆けさせてみたいなぁ。
草原や海辺とか走ったら、きっと気持ちいいだろうなぁ。

あと、すっごくどうでもいい話ですが、焼酎だと芋の「赤兎馬」が一番といっていいほど好きです。
ちなみに、味はノーマルなやつ。紫や青もおいしいのですが、やっぱノーマル推し。

前書きで「今回も馬の話」といったのは、前にも「馬防柵」というタイトルで作品を書いているからです↓

【歴史】馬防柵~摩訶不思議戦国アドベンチャー⑥~

まだ読んでないよ~

という方は、ぜひご覧ください。