【博士の愛した数式】優しさに溢れた感動必至のハートフルストーリー

こんにちは、松波慶次です!

ずっと積読になっていたこちらの小説「博士の愛した数式」を読みました。

これ、もっと早く読めばよかったと思うほど感動しました……。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:博士の愛した数式
著者:小川洋子

あらすじ

家政婦である私は、「80分しか記憶がもたない」おじいさんのお家で仕事をすることになった。
そのおじいさんは、数学が得意で私は「博士」と呼んでいる。

80分しか記憶がもたない博士と、10歳の野球好きな私の息子と、私の3人が織りなす優しい日常の数々。

野球と数学で結ばれた、博士の記憶には一切残らない素敵な思い出を紡いでいく――。

感想

冒頭にも書きましたが、これはね、積読期間が長すぎましたね。もっと早く読めばよかった(笑)

これが積読になっていた理由も、私が買ったわけではなく本を読む親族からもらったため。自分で読みたくて買ったものならすぐ読みますが、人からもらい、興味が湧かなかったためそのまま放置していたのです。

そして、最近ツイッターで読了コメントをよく見かけるようになり、「面白そうだからそろそろ読んでみようかな」と思いページを開いたら……。

止まらない止まらない。優しい世界にすんなりと入っていき、些細な感情の揺れ動きにハラハラドキドキしながら、あっという間に読了です。

80分しか記憶がもたないという数学大好きな博士。その家政婦の私。私の息子のルート(本名ではなく、頭が平らで√記号に似ているからルートと呼ばれます。唯一名前がある人物です)。

3人を繋いだものは、野球と数学。
博士は記憶が80分しかもたないため、80分経つと私のことも、ルートのことも忘れてしまいます。その病気のことを、博士はメモに記してあるので分かっているのです。自分の記憶が80分しかもたないことを知って生活するのは、どれだけ苦しいことなのか想像することしかできませんが、博士は相当苦しんでいると思います。

その苦しみを、抱かせないために私もルートも気を配ります。恩着せがましくなく、スムーズに見えるように。それが、私と10歳のルートの素晴らしいところです。人は、病気の人や自分と違う人を見ると、どう接していいか分からず妙によそよそしくなったり、気を遣いすぎたりしてしまいます。

その過剰な気配りが相手を傷付けてしまうこともあります。それを分かっている2人は、博士を傷付けないよう細心の注意をはかりながら、博士と80分ずつ楽しい思い出を作っていくのです(もちろん、博士は記憶を失うので博士にとっての思い出はないのですが)。

しかし、私は博士の記憶には残らなくとも、思い出として記録はされているのではないかと思います。自分が認識しない、実際に起こった出来事=記録。それを博士が記憶として思い出すことはありませんが、きっと、私とルートが来なかった日々は「何かが違う」とざわつきを覚えていた……と、思いたいです。

博士にとって、私とルートと過ごした日々は本当に素晴らしいものだったと思います。10歳のルートが22歳になるまで、博士との交流が続いたのですから(博士の病気は治ることなく、それどころか、80分ももたないようになっていったのですが。それでも、私とルートがプレゼントした江夏の野球カードを大事そうに首から下げていたことなど、思い出を大切にしている博士に胸が温かくなりました)。

最後には、私に対して敵愾心を露わにしていた博士の義姉(未亡人)とも仲良く談笑できるまでになっていたので、そこもまた温まるポイントでした。

博士を愛している人たちが、博士と楽しい思い出を紡いでいく。とても素敵なことです。きっと、博士が死ぬときには孤独ではなかったことでしょう。

なぜなら、博士を愛する人たちに囲まれて、首から下げた思い出とともに、天寿を全うしたのですから。

ストーリーに感動するだけでなく、今作は数学もとても楽しめます。

私は、数学が得意ではありませんが好きです(いまではほとんどの公式等を忘れていますが(笑))。

勉強になることが多く、ついつい誰かに得た知識を披露したくなります。

例えば、1から10までを足した数を求めるには、10を脇によけ、残った数字の平均である5と10の一個前の数字である9を掛けて、最後に10を足すと出ます。

5×9+10=55

これは、1から100までの数字を足した数や1から1000までの数字を足した数を求めるのにも使えます(博士が言っていたので、間違いない!と、思います)。

友愛数や双子素数、完全数など、学校では習わなかった数字たちも知ることができて、面白かったです。

数学が好きな人、感動するお話が好きな人におすすめの1冊。ぜひご一読ください。

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